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赤坂にて、友人の叔母上が腕を奮うフレンチを [そとごはん、そとワイン]

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 中学・高校6年間の同級生で、今に至るまでず~っと親しくして貰っている友人Eちゃん。彼女の親戚筋が六本木でレストランを経営しているんだとは、随分昔に聞いて、知ってはいた。だけど、それは多分僕等がまだ16とか17歳くらいの頃の話。親抜きでちゃんとしたレストランへ食事に出掛けるなど、未だ分不相応で縁遠いものだったから、何を食べさせるどんな店なのか、当時の僕が彼女にあれこれと詳しく尋ねる事は無かった。だから、その形態がフレンチなのだと知ったのも、今からほんの数年前の事だった。



 「そこは叔母の店でね、今は六本木から神奈川の湘南エリアの、海にごく近い町へと移ったのよ。歩いて程なく海岸に出られるようなロケーションなの。あなたは横浜だから、そう遠くないでしょ?。機会が有ったら、是非立ち寄ってみてね。」と、Eちゃん。

 僕は「それは絶対に食べに行ってみなくっちゃね」と、その場ですぐに彼女に言葉を返した。それは嘘でもその場限りのお愛想でもなく、素直に、心からそう思ったから云った事。湘南の海のすぐ近くに在るレストランでフレンチ。それも、それが親しい友人の叔母上がオーナーの店だとあれば、ドライブがてら立ち寄ってみたいなどと僕が考えたのは、ごくごく自然な成り行きだったろう。


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アミューズ(セロリの生ハム巻き、プチトマト、レバーのムース、カブとズッキーニ)


 なのに、約束はそれからずっと、つい先日に至るまで果たせないままだった。

 これはもう、ひとえに言い訳にしかならないけど、安直にドライブ序でとは考えたものの、後から考えてみれば、これは現実問題として(?)なかなかに難しい。運転するのならば、当然にその日は大好きなワインは諦めなくてはならない。だけど、ワイン抜きのフレンチだなんて、僕にはどうしたって考えられない、有り得ないおハナシ(^^;。かと云って、電車で出掛けるとなると、なんだか急にその町は僕にとって遠い場所にすり変わってしまうのだ。じゃ、いっそ泊まりで出掛けようか。そうなると、今度はあれやこれやと食事以外の余分な方面の事ばかりを考え始めてしまい、なかなか実行出来ない(苦笑)。

 加えて、出来ればせめて最初の訪問時は一緒に連れだって出掛けたいそのEちゃんが普段は海外在住。帰って来るのは1年に1度ほどで、それもお正月前後に1週間だとかで、いつだってどうにも慌ただしい。

 そんな具合だから、けっして忘れてしまっていたわけではなかったけど、結果として、口先ばかりの果たされない約束のまま、あっと云う間に数年が過ぎてしまっていたと云うワケ。


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白身魚(鯛)のカルパッチョ


 8月末、そのEちゃんが残暑見舞いのメールをくれた。近況を伝えるその文末に、さらり追伸として「叔母の店が赤坂で開店しました。どうぞよろしく」との一文が添えてあった。

 ああ、なんと云う事。一度も出掛けない内、湘南の海沿いの店は赤坂へ移転してしまったのだ。いつか必ずと思っていたから、これにはがっかり。しかし、同時に、これで運転に悩む事も無く、いつでも出掛けられる様になったわけで・・・(苦笑)。


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カブのポタージュ


 と云うことで、9月に入って、ようやくEちゃんとの約束を果たすべく、赤坂のそのフレンチへと出掛けて来た。

 アークヒルズ方面へ坂を上がり、繁華街からほんの少し外れると街の喧騒が嘘の様に静かな場所に、1軒だけポツンとそのこぢんまりとした可愛らしい店は在る。白を基調とした店内は明るく、内装も新しく清潔感に溢れている。いかにも、女性がオーナー・シェフらしい綺麗なお店。その壁にはどこかで見覚えのあるシャガールやロートレックのリトグラフも飾ってある。

 そう。詳しいことはまるで聞いていなかったので、つい直前まで僕は知らなかったのだけど、Eちゃんの叔母上は単なる店のマダムやオーナーではなく、シェフでもあったのだ。それも、日本の女性シェフの草分けとして、Nシェフと云えば業界ではかなり名の知れた方で、NHKの『今日の料理』への出演やレシピ本なども出版されているそう。

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リヨン風白身魚のクネル


 僕がここでそのお名前(→ )やこの店名(Marie・・・)を敢えて書かずに伏せているのは、友人たちが検索などした際に僕のこの拙いblogに辿り着かない様にと、ツマラナイ抵抗を試みているだけで、本当ならば、少しでも宣伝して差し上げたい(まぁ、僕のトコなんかでは、余りに微々たる・・・ですが^^;)んだけど。まぁ、少なくともEちゃんは事情を分かってくれるよね(苦笑)。


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牛タンのトマト煮込み


 Nシェフが湘南(にの○や)で培った人脈で、野菜や魚は現地からここ赤坂へも取り寄せているそうで、供される料理も新鮮でヘルシー。盛りつけの見た目もいかにも女性シェフらしく、優しい味のフレンチだった。男性の僕には全般的にヴォリュームが軽い気もしたけど、カルパッチョは生姜が効いた爽やかな味付け、カブのポタージュの優しい味わい、シェフが若かりし頃修行されたというリヨン風のクネルはソースが絶品だった。

 また、シェフのお人柄も穏和で柔らかで・・・いや、実はEちゃんの叔母上=Eちゃんのママ(僕等の卒業校の大先輩でもある)の妹さんと云うことで、相当にバイタリティに溢れたパワフルな女性を想像していたんだけど、こちらは好い意味で裏切られました・・・なんて云ってるのが、Eちゃんのママにもしバレたら怒られちゃうね(^^ゞ。


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 この日はあまりアルコールが得意でない友人たちと出掛けたので、僕もワインはごく控え目。いつもはメインに肉料理が多い僕だけど、野菜や魚が得意とするシェフなので、この日はグラスでサンセールの白を2杯。でも、それじゃやっぱり結果的に足りなくて、食後酒にマールを(^^;。次回は是非ワインもじっくり楽しみたいもの。もしEちゃんが年末に帰って来てくれたなら、一緒に出掛けて、きっと心ゆくまで飲めるんだけどなぁ(^^。



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