今月のトップ画像 / 2011年10～11月

◆10月初旬～中旬

　新宿御苑で見たアメリカ・デイゴの花。本来なら、もうこの花としては終わりの時期で、季節感に拘るのなら10月のトップ・ページ用の写真としては相応しくないのかもしれないけど、初めて目にしたこの花の造形や色が、あんまりにも面白くって３週間ほど載せていた。自然の作り出したフォルムの曲線の、磨かれた漆器の様な深い赤の、なんて美しいこと！。




◆10月末～11月

　丸２年前の2009年10月に、神奈川県立近代美術館葉山へアンリ・リヴィエールの展覧会を観に行った帰り道。逗子方面へと向かう海岸通りはひどい渋滞だった。しばしバス停でバスを待ったものの、目の前の車列はほとんど進まない。かれこれ10分も前に行き過ぎたはずのクルマが、まだ目に見えるところで確認出来る始末。これなら少し先まで歩いてみようか。もしかしたら、先にいる１本前のバスにも追いつけてしまうかもしれない。そう思った僕は、散歩がてら、その道を海に沿って歩くことにした。
　この写真はその時出会った光景。時刻は16時を少し回ったくらい。黒くて低い雲に覆われた太陽から、雲の隙間と云う隙間を通り抜けた幾本もの光の筋が海へと降り注ぎ水面を照らしている。神々しささえ感じさせるその光線に、僕は暫し無言で見入ってしまった。リヴィエールだったら、この幻想的な光をどう版画で表現しただろうね。